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「ヤマアラシのジレンマ」~コミュニケーションの豆知識⑤

ヤマアラシのジレンマ

 皆さん、こんにちは。ジャーナリストの青井坂道です。

 「ヤマアラシのジレンマ」という心理学用語を聞いたことがあるでしょうか?「ハリネズミのジレンマ」という表現もあるようです。

体中に針の生えた者同士が、お互いに仲良くしようと近づき合うと傷つけ合ってしまうという、互いの距離感に悩む現代人の心理を表した寓話としても知られています。アニメの題材になったり、社会の教科書で知ったという人もいるのではないでしょうか。

 「ヤマアラシのジレンマ」は、今の関係を壊したくないので本音で話せない、無理に踏み込んで相手を不快な気持ちにさせたくない、自分も傷つきたくないという、私たちの日常生活のさまざまなシチュエーションで見られる光景です。

このほかにも、自分にコンプレックスがある、過去の人間関係でトラウマがある、他人と自分を比較して劣等感を感じる・・・といった「とげ」が自分や相手を悩ませがちです。

 しかし、逆のことも考えられます。

とげで傷つけ合って初めて適度な距離を見つけることができるのではないか、ということです。

まずは1度、相手や自分の持つ「とげ」という課題に向き合わなければ、理想の人間関係は見つからないのではないでしょうか。知ることから多くの可能性が生まれてきます。

 個人的な体験ですが、私は大学時代に自己啓発系のサークルに入っていました。そこに人間関係の得意な女性の先輩がいて、わりと暇な時には世間話をしていたことを覚えています。ある時、その先輩と人生哲学について話す機会があり、「どうすれば人を愛せるか」というテーマについて先輩は「傷つく覚悟をすること」と話していました。

当時の私にとってかなりショッキングな内容だったので印象に残っていたのですが、これも「とげ」と向き合う秘訣だったのかもしれません。

 「とげ」が刺さることを恐れれば恐れるほど、余計に他人が怖くなってしまいます。だからこそ、傷つくことを受け入れることが人を愛することにつながるのでしょう。

覚悟して向き合ってみたら、意外とうまくいくこともあり、自信にもつながります。結婚し、子供も生まれた身となり、より「傷つく覚悟」という言葉の意味が分かるようになってきました。

 ただし、無理は禁物です。

同じコミュニティーに所属しているからと言って、苦手な相手とも「向き合わなければいけない」と自分を追い込むことまではしなくていいと思います。

考え方や性格、価値観がどうしても合わない人はどうしてもいるもの。大事なのは自分との違いを受け入れ、認めること。

もしあなたが人付き合いに悩んでいるのであれば、最低限、相手を否定しなければ良しとする、そういったおおらかな気持ちで今日も頑張ってみて下さい。

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