サード・プレイス
皆さん、こんにちは。ジャーナリストの青井坂道です。
今日は「サード・プレイス」という言葉について解説してみようと思います。「第三の居場所」という言葉の方が知られているかもしれません。
これは米国の社会学者が提唱したもので、自宅や職場以外で自分がくつろげる3番目の居場所を意味します。
いくつかの特徴があるのですが、重要なのは人間関係を提供できる場であるということです。既に仲良くなった人とも交流でき、さらに新たな出会いも期待できる、そんな場所を指します。
家庭的で温もりがあり、さらに活動の中心には会話があることが大切な要素です。
このように現代人の憩いの場として必要とされているサード・プレイスですが、悪いケースでも成り立ちます。例えば、学校にも家庭にも居場所がない若者たちが歓楽街に集まって騒ぐのもサード・プレイスの一つです。売春や暴走族などもそれが自身の「居場所」になってしまうと、そこから抜け出すというのは簡単なことではないのです。
子供の貧困問題解決に取り組む日本財団では、子供たちへの教育のためのサードプレイス作りに力を入れています。
同財団では、子供たちが大人の言動からさまざまなものを学び取る「社会的相続」に注目しており、豊かな社会的相続に恵まれることで子供たちが貧困のスパイラルから抜け出せると見ているようです。

家庭と学校の行き帰りのみで地域との交流が失われている現代の子供たちに、地域の人々とも交流できる遊び場のような「第三の居場所」を提供する、それが同財団の進めている取り組みです。
皆さんも何かのコミュニティーを作る上で、それが誰かの「サード・プレイス」になることを意識して運営してみてはいかがでしょうか?