政党
9月25日、安部内閣総理大臣が衆議院解散を発表した。
そして、10月22日の衆議院議員選挙(いわゆる総選挙)に向けて、希望の党が結成され、事実上民進党が分裂状態に陥った。これを契機に、「永田町のオトナの事情を抱えた」議員の先生方は、臨時的なチーム結成で大きく揺れ動いている。
さらに衝撃的なことには(真偽はよくわからないけれど)、総選挙後に旧民進党が再度終結するというニュースまで飛び交っているので、政界の勢力マップが今ものすごい動きを見せているのだ。
今回、安倍総理が名付けた解散名は「国難突破解散」だったが、有権者の(この時期になぜ選挙?)(野党は一体どうなる?)という数々の疑問は、選挙で果たしてすっきりするだろうか?
最大野党の分裂によって出現した新進気鋭の野党たちのゆくえと与党の思惑については、今後じっくりと見守ることにして、今回は新党結成にみる「チームの意義」について考えてみたい。
まずは、改めて政党とは何かの意味を確認してみると、「ある政治上の理想・目的を実現するために、政治権力への参与を目指して結ばれた政治的団体」とある。
何かの目的のために、個人的な考え方は異なれども、政治上の目的は一緒である人間同士集まるとすれば、今回の民進党の分裂と新党結成という現象は、「選挙で勝てるチームづくり」のための人材の離合集散ともいえる。
そういう点で見てみると、今回のチームは選挙のための短期決戦に力を集中させたように見えるが、そこで心配になるのは、「選挙に勝敗がついた後、この即席のチームは、一体どうなるのか」ということである。
仮に、与党にとって代わるという大儀を達成できたとしても、その後の将来像が正直よくわからないというか、未だ伝わってこないのである。
一般的に、良いチームの条件としては以下の3つが欠かせないという。
(1) 容易に成し遂げられない、明確なゴールを共有しているか。
(2) そのゴールに向かう“思い”を、ひとつにしているか。
(3) メンバー一人一人が、政党の目的を成し遂げようという強い責任を持っているかどうか。
チームとして何かを成し遂げようと思った時に、目的達成に伴う情熱や、責任を伴う約束がないようでは、たとえどんなに優秀なメンバーが集まったとしても、いいチームとしての力を発揮できないことがあるが、今回はどうだろうか。
日本では、与党となり法案を現実にするためには、やはり「大きな勢力」でなければならないのは間違いない。
そのためのチームづくりの人間模様に、私たち有権者はどのように判断して投票すればいいのか、国の政治を委ねる以上、真剣に考えなければならない。
