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人事評価とモチベーションその1~センセイとしての評価~

人事評価

一般的なイメージとして、学校の教師には企業のように人事評価制度がないと思う人も多いかもしれない。でも、実は教師にも人事評価はあり、筆者も昔は自分の働きぶりを自己評価し、管理職に評価されていた懐かしい思い出がある。しかし、ノスタルジックに浸っている場合ではない。教師には切実な問題がある。それは、数年前から(本当はもっと以前から)言われている、教師の自己評価の世界的な低さである。

日本のセンセイは世界一自己評価が低いのはナゼ?

経済協力開発機構(OECD)が行った、世界34か国と地域の中学校で働く教師の仕事時間数の調査によると、日本の教師は平均週54時間に対し、参加国平均の38時間を大幅に上回るという。一方、指導力への自信が参加国中、最も低いという結果も出ている。

内訳として興味深いのは、授業準備などに要する時間数は世界平均と日本は変わらないが、部活動や課外活動指導、そして事務作業に費やす時間が、日本の教師の仕事時間数を大幅に上げているのだそうだ。自己評価が低い点については、例えば学級経営や教科指導などの指導力の有無に対する問いに、日本の教師の場合、諸外国に比べて「できている」とは答える人が圧倒的に少ない。

つまり、世界中見渡しても日本の学校の教師は、世界一忙しいけれど世界一自己評価が低いのだ。どうしてこんなに自己評価が低いのだろうか。

「私なんてまだまだ若輩者ですよ」をそのまま人事評価に

ここでは、一つ筆者の体験を書いてみようと思う。

教師も自分の働きぶりを自己評価する際、通信簿のようにAからDなどのようにランクをつける過程がある。当筆者が教師になりたての頃は、「新人教師は、自己評価で最低ランクDをつけるのが謙虚でよろしい」という暗黙の了解があった。よって、筆者も当然のようにオールDを自らにつけた経験がある。

数年間はオールD。これは実際の努力とは乖離した評価上のものだった。

例えば、一般企業ならば「自分はこのプロジェクトを推進して結果を出した」等、自分自身そう思えば堂々と言えるかもしれないが、教育の世界はある意味外界とは違う「文化圏」なのかもしれない。

このように、自分自身の評価に対し、慎ましく謙虚たれと言われる教師が、諸外国よりおそろしく自己評価が低いのは、ある意味当然なのではないだろうか。

その2に続く)

ABOUT ME
おおつかけいこ
教師歴10年の経験をもつ教育者。ライティングの「ものかき」でマネージャーを務めるほか幼児教室も主宰
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