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映画「コンタクト」~未知の存在とのコミュニケーション~

映画「コンタクト」

無数の星が浮かぶ夜空を見上げたとき、その先に「いるかもしれない」存在に思いを馳せたことはありませんか?

宇宙は果てしなく広く、とても寂しい所のように感じます。
しかしその中に、私たち以外の生命体が存在すると考えると、なんだか素敵な気分になりますよね。
そこで大切なのは、そんな地球外生命体と出会ったときに、どうやってコミュニケーションを取ればよいのか、ということ。

今回ご紹介していくのは、そんな地球外生命体との接触を描いた映画「コンタクト」です。
あらすじなども書いていきますので、鑑賞の参考にしてみてくださいね。

映画「コンタクト」の作品概要

映画「コンタクト」は、1997年に公開されたアメリカのSF映画です。
物語の主軸は「地球外生命体との接触」においてはいるものの、その周囲には愛や宗教といった人間の感情も描かれており、ハードなSFと人間ドラマを同時に味わうことができます。

監督は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」や「フォレスト・ガンプ」などで知られるロバート・ゼメキス。
主演は「羊たちの沈黙」で知られるジョディー・フォスター。
その演技は繊細で、科学者としてのプライドと女心の揺らぎを、見事に表現しています。

映画「コンタクト」のあらすじ

エリー(本名:エリナー・アロウェイ)は、優秀な科学者です。
彼女はアレシボ天文台で、地球外生命体の存在を探るための研究に従事していました。
その夢は、エリーが子供の時から抱き続けていたものでもあり、彼女にとって生きがいとも言えるものでした。

しかし、そんなエリーの研究は、ある日突然、天文学の権威であるドラムリンによって打ち切られてしまいます。
エリーは研究を続けるため、様々な企業を訪れ、出資依頼のプレゼンを行います。
多くの企業に断られたものの、ハデンという大富豪がスポンサーになってくれることになりました。

ハデンからの出資が決まったエリーは、さっそく調査を再開しました。
エリーは毎日、アンテナが拾う宇宙からの音声に耳を傾けていました。
そしてとうとう、彼女は宇宙のどこかから聞こえる規則的な音声を受信したのです。

音声の発信元は琴座のどこか。おそらくヴェガからのものだと思われました。

地球外生命体と「どうやって」話す?

今の時代、地球上の多くの人がある程度の英語を理解することができます。
そして、外国語を話せなくとも、スマートフォンなどの文明の利器を使えば、ある程度の水準を保ってコミュニケーションを取ることができるはずです。

では、地球外生命体はどうでしょう。
彼らがどんな見た目をして、どんな言葉を使っているのでしょうか。
もしかすると、そもそも言葉すら使っていないかもしれません。
地球外生命体が存在するかどうかさえ、定かではないのです。
とは言え、「いる」と思うとロマンあふれますよね。

そんな地球外生命体と、地球人との交流。
そんな現象を描いた映画「コンタクト」では、彼らと交流するために使われる言語の一種について、現実的な推察がなされています。

地球外生命体が文明を生み出すほどの知的レベルにあると考えたとき、その生命体は独自の言葉があると考えられます。
言葉は文明を生み出すために、必要不可欠だからです。
しかし、それと同時に「数字」という概念を持っているはずです。
そして数字は、地球に住む私たちも使っていますよね。

数字とは、宇宙レベルで考えた場合には、言語の一種となり得るのです。
作中では、ヴェガ星人が数字を使って、設計図や映像を地球人に伝えていました。

私たちは「話す」・「意思疎通を図る」と考えた場合、どうしても日本語や英語という言葉の形態で考えてしまいがちです。
しかし、その言葉が通じない世界は必ずあるはずです。
そんなとき、どうすればコミュニケーションを取ることができるのか。

数字は情報を伝えることに向いてはいるものの、思いを伝えることには向いていないように思えます。
しかし、コミュニケーションとはお互いを知ることが重要なもの。
お互いを知るためには、お互いの情報を伝えることが必要です。

映画のタイトルである「コンタクト」。
この題名の意味を考えたとき、多くの人はエリーとヴェガ星人が対面したシーンを思い浮かべることでしょう。
このシーンで二人(?)は英語を使って話し、確かに意思疎通を果たしたからです。

しかし大切なのは、このシーンではありません。
大切なのは、エリーが遥か先にあるヴェガからの音を聞き取ったこと。
そしてそれを、数字を用いた地球外生命体からのメッセージだと認識できたこと。
これこそが、タイトルの「コンタクト」を表しているのではないでしょうか。

たかが数字。
されど数字。
数字や数学は難しく、苦手意識を抱きがちです。
しかしその世界は広く、無限の可能性があると感じさせられる映画でした。

何かを「信じる」という概念

信仰、科学、愛情、もしくはお金。

「信じる」という心は、宗教や考え方が違ったとしても共通して持っている気持ちです。
例え、自分自身を無神論者だと考えていたり、「何者をも信じない」というシニカルな態度を取っていたりしても、科学やお金といった現実的なものを信じていたりするものです。

映画「コンタクト」を見ていると、この「信じる」という概念が、特に大切にされていることが感じ取れます。

主人公のエリーは、科学を深く信じる無神論者です。
神を信じない理由は、目に見えず、存在を感じ取れないからでしょう。
科学は世の中の成り立ちを理論的に説明できますし、本人の最も得意とする分野でもあります。
そして、エリーは現実主義者である反面、地球外生命体の存在を信じるロマンティックな一面があります。

エリー以外の登場人物にも目を向けてみましょう。

エリーの恋人・パーマーは神学者であり、信仰心の厚い人物です。
彼はまた、エリーそのものを理解し、信じる人物でもあります。
そして、同じ「宗教家」でありながら、パーマーと正反対の人物も存在します。
それは、カルト宗教の教祖的立場の人物であり、彼は彼が信じる神以外は「悪」だと断じています。

では、「信じる」という概念の中でも多くの位置を占める、宗教について考えてみましょう。

私たち日本人は、一般的に特定の宗教を信じていない人が多いとされています。
神社に初詣に行き、仏教式のお葬式をして、クリスマスを祝う。
これは全て、違う宗教のものですが(神道と仏教は難しい部分もありますが)、日本の習慣として根付いているものです。
しかし、外国ではそうはいきません。

今作の舞台であるアメリカは、キリスト教徒が多い国です。
特定の宗教を信じている人が多いということは、その宗教での「当然」や「禁忌」が一般的なものとして認識されているということです。

作中でも、エリーが神を信じていないということで糾弾されるシーンがありました。

特定の神を信じないことが「当たり前」の国に生まれた私たちには、エリーが糾弾される理由を本質的に理解することができません。
無信仰であるがゆえにチャンスを潰されることなど、私たちには起こりにくいからです。

しかし、特定の宗教を信じることが、多くの国の人々にとって大切であることはわかります。
そして時には、宗教が紛争に繋がることも知っています。

「信じる」ということは美しいもののはず。
自分を信じている人は素敵ですし、科学を信じ、理論的に行動することは悪いわけがありません。
しかしそれも行き過ぎてしまうと、悪い事態に繋がります。
今作に登場したカルト宗教家がその例です。

何を信じて、何を信じないか。
こうしたことを深く考える機会は少ないはずです。
しかし、一度じっくり考えてみてください。
「信じる」気持ちは、その人の姿をわかりやすく表すものだからです。

エリーが「信じ続けた」ことでヴェガ星人と会えたように、「信じる」ことで何かが変わるかもしれません。

映画「コンタクト」のまとめ

映画「コンタクト」は、激しいアクションなどは無いものの、退屈しない本格的なSF作品となっています。

果てしなく遠い空の上に、どんな世界が広がっているのでしょうか。
作中で描かれたように、美しい天国のような景色の星があるのかもしれません。
もしかすると、今もそこから、私たちに向けてメッセージを送っているのかもしれません。

広い宇宙に思いを馳せて、映画「コンタクト」を見てみましょう。
そうすれば、ほんの少しだけ、宇宙の世界を覗くことができますよ。

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